険路の杓子山北尾根を楽しむ

       倉見山から杓子山’10.1.14 晴

東桂-長泉院倉見山登山口-倉見山-向原峠-北尾根-杓子山-大ザス峠-不動ノ湯-大明見

 今回は極めて厳しい険路を持つといわれる杓子山北尾根の雪道を狙ってみようとの試みでした。でもよりにもよって近年にない最高の寒波の日に出かけてしまったようです。地元のバスの運転手さんによるとこれだけの寒波は10年ぶりだろうとのことでした。

7時すぎ富士急車中から三ツ峠、清八山、本社ケ丸がきれい 東桂駅から倉見山登山口迄もバリバリに凍結して足元危ない

 登山口(7:30)から白くなっており兎や狐の踏み跡くらいで人は誰も入っていないようです。845mの4等点(8:15)あたりまで上がると急登もゆるみますが、雪は次第に20cmほどとなり歩くのには堪えます。でも一面の雪景色の中を一人で進むのは最高です。
 さらに30分ほど行くと東電の鉄塔の下へ出ますがこの後の登山道も尾根の稜線を忠実に拾います。次第に吹き溜まりでは30cmはありそうなところまできました。 

最初の三角点です。道沿いより少しバックした場所にあり 東電鉄塔、西群馬幹線238

 北には滝子山、黒岳、雁ケ腹摺山などの頭が白いのも見えます。さらに行くと本社ケ丸に三ツ峠もうっすら白くなっています。これまでに歩いた富士展望の山々を眺めながらの山歩きがこんなに楽しいのかと思いながら左前方に見え隠れする倉見山にまずは向います。

正面に黒岳、左に清子山右に雁ケ腹摺山がきれいだ 左前方には目指す倉見山が頭を見せる
9:08 富士急三ツ峠駅への道標、ここを直進 道標の3分先にはS字の松が目につく

 登りがきつくなってくるとやがて倉見山(1256.2m)山頂に着きます(9:50~55)。ここまでの時間は無雪期とほぼ同じで登ってこられました。ここからの富士はやや松の木などがうるさく展望は今ひとつではあります。
 これより下りが出てくるためにここで8本爪アイゼンを装着しました。もちろんこの後アイゼンはずっと15:30までつけたままでした。

山名札が新しく建っていました。 冨士山も雲が頭へついています。
3等三角点の向こうには三ツ峠山も見えています。 これから向う杓子山を見てまだあそこまでとぞっとする?・・

 倉見をすぐ辞して見晴台(10:06~07)に下るが今日はそんなに見晴もよくはありません。本来なら昼食休憩としたいところだがもう少し行こう・・

見晴台から富士と御坂山塊の山々、南アは雲で見えず・・街は富士吉田市

 一気に下った後の小ピークに寿駅と向原の看板(10:17)が目につきますが、向原峠から杓子山を目指す人はこの看板に惑わされてはいけません。
 このピークはそばの落葉松に相定ケ峰と白いテープの山名札があるように、直進は堂尾尾根から寿駅への道で向原峠へはこの分岐から踏み跡小さいのを左にとるよう見落とさないことが必要です。でも今日のように雪があれば左への道はほとんど見えませんが・・

やたら目につく看板、向原は集落で峠ではない 落葉松に相定ケ峰の札ある。でもこれを見落としやすい

 いよいよ向原峠に下るがこの下り道がこれから先の試し所でしょう。結構急な下りで道はこれまでと違いとたんに細くなり、左側はきれ落ちており油断すると何十mも滑落してしまうことでしょう。

 下りおりるとこのコルの向原峠(10:33~11:05)は西側(右側)への小明見集落に下る分岐となっています。ここで今回は昼食休憩としよう。もちろん樹林の中で食べるだけです。

向原峠でウドン鍋をかけこみでお腹に収めてこれより覚悟のうえの出発だが、頂上までこの峠より3時間もかかろうとは・・・

 いよいよこの峠からの険しい登山道に入りました。エアリアでは『急斜度の笹尾根、アップダウンが続く所々に岩場あり』との破線の表記ではありますが、私の感じたところでは次のようです。
 〔やせた連続の岩尾根に急斜度のアップダウンが厳しい登山路で、道標も杓子山頂上近くに少しあるだけでないに等しい険路です〕と表現したいところです。以下画像をご覧ください。

こんな岩場を登るのが連続で出てきます・・
時には道はどこに?という感じ、踏跡は雪でほとんど消えてます少し緩やかになり1124Pか?(11:15)、振り返ると相定ケ峰が高い
どんどん岩場が続きうんざり・・ 11:56 ここが1292Pだろうか?、しばしの平坦地20mほど
さらに続く岩尾根の終りはいつだろう?・・・右画像をみるとロープらしきもの写ってるが木の根だろう?、気がつかなかったが・・
12:58 ようやく初めて道標に出あったがここは1410Pか? 13:13 さらに登ると根元神社道標、20mもしんどくて下りれない
西尾根がもうすぐだがと必死に登るもまだ急登が終わらないここから約半時間で1520P(13:47)さらに10分で西尾根分岐だろう
ようやく西尾根分岐(13:58)が右に下りており、これからは比較的緩やかとなり青空が見えて5分とかからないで頂上が・・フゥ〜

 到着です(14:02~25)。先客がお一人だけ湯気のたつお茶を飲んでおられました。やれやれ、富士さんは・・残念やっぱり雲とれず今ひとつの景色です。
 それにしてもヘロヘロです。どこから上がってきたんですか、こんなところに道あるんですか?と先客から声かけられるもしんどくて返事もなかなかできない、この景色ではネ・・・
 それにしても14時とは予想外に時間かかりすぎた?・・、遅くとも13時半までには登れるだろうと計算してたのはなんだったのか?結局無雪期より1時間10分オーバーしたことになります。なぜだろう?・・

冨士山もまたまた残念でした・・
右子ノ神、左鹿留山もわびしい道にはトレースもなく・・ 御坂山塊右に尖る黒岳

 一息いれて回りを見渡すと頂上にはきれいに真っ白な雪がいっぱいで嬉しくなって歩き回りました。当初計画の子ノ神から鹿留山へ向い二十曲峠経由で内野へは無理と判断し下山ルートをあっさり変更です。
 13時半までに頂上着なら予定コースをと考えながらの行動でしたから仕方ありません。南アルプスも最後まで顔をみせませんでした。せいぜい毛無山から御坂山塊の黒岳くらいしか見えません。

 すごすごと前にも歩いた大ザス峠方面に下り、高座山から鳥居地峠には行かずに大ザス峠から雪の林道を不動ノ湯へ進んで街へ出ようと決めました。もっとも不動ノ湯には今晩冷え込むようだから入浴は諦めようと当初どおりの行動です。

 そうと決まればここの峠(14:55~15:05)で最後の富士だ。ここはハンググライダー基地ともなっており、その飛び台の場所から富士もよく見えました。

下山時林道はこの道標の100mほど上にもあるから要注意 ハンググライダー基地からの富士下の街は忍野村

 峠から半時間も歩けばゲートで車が入れなくなっています(15:35~16:15)。まだ西日があたって暖かく、お腹が空いたことに気がつきここで休憩です。食料は有り余るほど残っているため40分ほども暖かい野菜鍋で最後の富士の夕景を楽しみながらのんびりしたものです。

 どっぷりと夕暮れた頃に不動ノ湯から大明見のバス停までがこれまた大変でした。強烈な寒波で道路がバリバリに凍結し足元が滑りやすくなっており、バス停についたのは17:45と完全に暗くなってしまいました。
 バスは出たところで店らしきものもなく、最終便の18:23までの寒波の中での待ちぼうけは厳しかったです。いやこの寒さも体験です〜

 後で考えるとここまでの道路歩きにもアイゼンを装着すればよかったかなと思うほどでした。そして富士吉田経由で今後のためにとJR初狩駅待合室で今回初のステビー(ステイションビバーク)なるものを経験しました。もちろん最高に冷え込みましたが、防寒衣類やカイロなどの用意のお陰で何とか少しは眠ることができました。
 ただ、翌日に大月の岩殿山から朝の富士を眺めようとの計画が杓子の疲れとステビーの睡眠不足のために自重することとし、目覚めたらすぐに朝食後に塩尻経由で帰京となってしまったのは残念でした。

 それにしても前回2年前は同時期だったとはいえ、まったく雪も無く向原峠から頂上まで1時間50分で登っていますが、今回はもっとも雪がついておりアイゼン装着だったためにより慎重に歩きました。またアイゼンが3度もはずれるなどその点ではアイゼンの調節等しっかりとした準備が必要だったのも痛感しました。

 なお、峠から頂上までの途中で今回は写真を20枚も撮影しており、前回一枚も撮る余裕がなかったのですが、その点でも時間が多くかかったといえます。さらに肩のザックも今後の体力維持のためにもとほぼフル装備の16Kgは担いでいました。

 いずれにしてもこの杓子山北尾根の骨あるコースには惚れ惚れするものがあります。私が歩いた富士展望の山歩きコース約60座の中では一番名うての険路ではなかったでしょうか。
 これからは無雪期も含めてさらに月を変えて何度もリベンジし、体力的に無理と判断した時点でその後の仕事としての山歩きを見直す時期にしてみようと思います。

 2年前にほぼ同じコースを登りましたが、そのレポはこちらからご覧ください。 

本日の歩いたルートは次のとうりです。
ルートの地形図が出ていない時にはブラウザの「表示」から「最新の情報に更新」をクリックすると見れます。
ただし少し時間がかかる場合があります。)

地図の大小は右上の+または-で、また移動は地図上でマウスにより左クリックで操作願います。

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