安倍奥  井川高原の春 前夜発'11.6.9 曇

 安倍奥の山伏(ヤンブシ)は名高い山ですが、その南の一帯に静岡県民の森が広く整備されています。その中の井川高原の春をエコツアーで訪ねました。

 春というよりもう夏ですが、ここ井川高原は標高1600m前後で遅い春の目ざめの頃でした。ブナ、カエデなどの植物たちは、長い冬季から待ちわびた芽吹きのシーズンを迎えたのでした。大自然のさわやかな息吹を目いっぱいいただきながら、苔むしたニゴリ沢源流を目指しました。

 こちら井川高原にはブナ、ミズナラ、カエデなど落葉広葉樹の森が広がっています。その森へわずかに登るとシロヤシオ咲き残る井川峠、ここは歴史的にも古道だったことでしょう。
 古の多くの人々が往来したに違いありません。四差路の峠を北へわずかに進み東の谷へ下ります。↑ どうです、見事な雰囲気を醸し出しているでしょう。

 山狭の谷は見事なまでの舞台がととのっていました。このような谷道も古い、古い鼓動が感ぜられます。金山、材木、炭焼き、山菜などなどいろいろ思い巡らしながら、ガイドもソフトにそしてあたりにマッチした流暢な自然案内が続くのでした。

 とりわけカエデ科の種が多く分布しており参加者を喜ばせてくれました。未見のホソエカエデは分布していないとの答えでしたが、幸いにも同行された方がそのホソエカエデを先日に八伏あたりで見たよとその葉そのものを用意の図鑑のページから見せていただけたのには感動ものでした。

 覚えていたそのホソエカエデの特徴は次のようであります。
、@葉裏の脈腋に水かき状の膜がある。A葉柄は紅色を帯びる。Bウリハダカエデと酷似するが、中央裂片が大きく尾状に尖る。

 手にとって見せていただいたその葉はずばりそのものでした。後でしまった!あの写真を撮らせてもらえばよかったのにと残念がっているのでした。そうだその方に写真を頼もう!

 この山域で有名なのはオオイタヤメイゲツのようです。中には森の王様のように仁王立ちのそのオオイタヤメイゲツにリョウブ、ナナカマドが宿って三色の木となった大木にも出会えました。

 

 それにしてもカエデ科の多い谷筋でしたが、オオイタヤメイゲツ以外にもコミネカエデ、アサノハカエデ、ヒナウチワカエデ、ハウチワカエデ、イタヤカエデ、オニイタヤ、テツカエデ、ウリハダカエデを歩きながら同定できたでしょうか。

 ニゴリ沢にはサワグルミの森といえるほど多数見られ、稜線にはオオカメノキはほぼ終わり、ミヤマカマズミはつぼみのようで、トウゴクミツバツツジはほとんど終わり、ヤマツツジは咲き初めの様子でした。

ほぼ平行に開く実を下げるアサノハカエデ 葉のキザギザが目立つヒナウチワカエデ

 楽しい遊びはもちろんカエデ観察だけではありません。きれいで冷たい流れのところどころでは30cmほどにも見えたイワナがいきおいよく泳いでいるのを目にするのですが、臆病な魚のようですぐに人の気配を察知して岩陰に身を隠くしてしまいます。
 ガイドや同行のヤングマンがその岩陰に手をいれるのですが、驚くほどの水の冷たさのようでなかなか魚をつかみ出すことが叶えられませんでした。でもこのような諸所が、みな童心にかえることのできる楽しいひと時でもありました。

 谷あいの幻想的な光景は筆舌につくしがたい雰囲気もずっと続いています。そんな見事なすばらしい自然の中に溶け込むようにお昼も実に美味でした。

 そしてニゴリ沢源流で美味しい谷水により喉を潤すことも忘れません。思わず、う〜んまろやか!との声も飛び出すくらいで、今われらは安倍川に注ぐ前の水をこうして喉越しを楽しんでいるのかと、わいわい賑やかな声がこだましています。

ニゴリ沢源流地点の様子、このすぐ上で試飲? ここで切れ落ちて谷は終わりでした。

 稜線に枯れた笹原を登り返して笹山、山伏への縦走路へ出てもブナ、ミズナラなどの古木や関西人には比較的目にしないナガサルオガセにも出会え、満開のアズキナシ、紅色のつぼみのズミなどを見ながらのんびり周遊コースを楽しめました。

ウラジロモミにからむ
ナガサルオガセ

 もちろん山野草でもギンリョウソウ、マイズルソウ、ズダヤクシュ、サワハコベ、ユモトマムシグサは満開で、ヤマシャクヤクやミヤマスミレの残花もわずかに見られ、関西では比較的知られていないヤマイワカガミは終わっていたようでした。

ヤマシャクヤクはほぼ終わりのよう

 なお、ガイドよりフォッサマグナ要素植物の説明もありました。それらにはフジアザミ、イワシャジン、コイワザクラ、マメザクラ、カナウツギなどがあるようですがこれらの種は開花時期が合わなかったようです。

 最後になりましたが、実はこの度のツアー参加は私が入会したガイド協会主催のエコツアーに同行させていただき、その理事長自らのガイディングで研修させていただく形でした。実りある研修山行となりました。
 ご参加の皆様大変お世話になりました。またいずれどちらかの研修会でもお会いさせていただきますのでよろしく願います。

 帰りには、静岡に行けばやはりウナギでしょう〜、とお好みウナギ弁当を頂いてから、ひかりに飛び乗りました。。。笑

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