御殿場口から 富士宮口から 河口湖口から

                  御殿場口 富士山  '11.7.12~14(前夜発1泊2日) 曇のち晴

 やっぱり八面玲瓏の富士山でした。数ある富士登山のコースの内、御殿場口コースでプリンスルート(2008年に皇太子殿下が登られたルート)の一部を登ってきました。

 登山口の御殿場口新五合目(8:55)よりすぐに樹林帯は消えて火山礫の道をひたすら黙々と歩きます。登山道沿いには予想どうりお花などほとんど見当たりませんでしたが、それでもフジハタザオ、フジアザミなどの富士山象徴花が見られましたが、お花の少なさに寂しさはつのるばかりでした。

 今回の登山口から山頂までの標高差は2300mもあるため、途中標高3300m地点の赤岩八合館(14:45)で一泊です。
 ここでの影富士は見事な夕景劇場で心行くまで楽しませてもらえました。もちろん山中湖の東方向から登る翌朝のご来光も見事でした。

 富士山周辺の山々へは数知れないほど足を運んではいますが、やっぱりその高みに登らないわけにはいきません。
 そして富士は巨大な自然をもつ山塊に違いないでしょう。大好きな高山植物類はさすがに乏しく希薄であっても、他にいろいろな自然観察はできるだろうとの期待で、満を持しての登山でした。

 富士の優美な姿は日本人ならずとも意見は分かれないでしょうが、この美しさの秘密はどうやらごく新しい火山であり、侵食がほとんど進んでいないところにあるようです。

 富士山の生い立ちについては次のような記述を目にしました。
富士の火山のはじまりは70万年ほど前にさかのぼるらしいのですが、今のような見事な火山体を作り出した活動はたかだか5〜6000年前にはじまり、およそ1000年前に終了したばかりのようです。

 この1000年ほど前まで続いた新富士火山の活動は、山体をこわすような激しい爆発をくり返した古富士火山の活動と比べると大変おとなしく、溶岩とスコリア(火山砂礫)を交互に噴出し、山体がどんどん高くなって3776mにまで達したようです。
 もちろん山の成長がはじまったのが氷期が終わってからであったために、カールなど氷河地形は存在しないようです。

 このように山体の形成が新しいために、植物の垂直分布帯や動植物相はまだまだ未熟なようです。それはハイマツは分布しないし、ライチョウも棲まず、高山植物も乏しい富士ならでの自然現象のようです。

火山性荒原のオンタデ群落

 二日目は小屋前より4:30ころからのご来光を遥拝してからの出発(5:30)でした。すがすがしい静かな道を左右上下をしっかり眺めながら山頂を目指します。それにしても砂礫ばかり、それでも山頂が近づくと大岩石も覆いかぶさるように見られるなど、変化も出だしてきます。

 このようなどこまでも続く長大な斜面のスコリアを踏みしめながら、いよいよ山頂の鳥居をくぐってお鉢巡り(6:35)にはいります。
 爆裂火口を見物しながらあの新田次郎さんも勤務されたであろう剣が峰近くの気象台そばの三角点のある「日本最高峰富士山剣ケ峰」の標識や、展望台に上がって赤石山脈の峰々の鋭鋒も見事な眺めで、さらに甲斐駒の奥には飛騨山脈の北アも顔を見せ、八ケ岳の東に金峰、甲武信などの秩父の山々も雲の上に浮かんでいます。

 このように日本一の高みからの山岳展望にうっとりしながら時のたつのも忘れてしまいそうでした。 

剣ケ峰への馬の背を登って 2等三角点3775.63mの富士山剣ケ峰です。

 そして久須志神社そばの山小屋群ならぶ富士銀座を経由してから、ごったがえす河口湖口ルートを嫌って須走口ルートへ下山(8:00)です。
 もっとも七合目の大陽館下の分岐(9:00)より人のほとんど通らないブルドーザー道を下ってみました。 

ブル2台が荷物満載で登っていきます。

 ブルドーザー道、それにしても長かったですね。飽きました・・。それでもなんとか須走口新五合目へ下山(10:00)でしたが、その登山口には結構な登山者の姿がありました。

 日本最高峰の山であってもトイレは汚いし観光地化された富士山など興味もなかったのですが、近年は問題でもあったトイレもバイオトイレにきれいに整備されております。
 自然を観察しながらの登山も新五合目の森林限界を超えてもハイマツは見られないですが、カラマツが地をはうように生き生きと矮小化した姿を見せびっくりものでした。
 また六合目あたりからはオンタデ、イワツメクサ、フジハタザオなどの高山植物が咲き、こからもう少したてばフジアザミも咲き出すことでしょう。
 広大な溶岩と火山砂礫のスコリアの荒原は私の目には異様なまでの景色であり、八合目からはまさに荒涼たる火山荒原であって異次元の世界にさまよったような気がしたのでした。

 でもやっぱり終わってみれば、宝永山の富士宮口や観光客なみに混雑する河口湖口の登り下りは当然としても、須走口の砂走り、御殿場口の大砂走りの下りもやりたいなとの思いが出てきます。

 もちろん青木ケ原の樹海とその地の植物相も見物してみたいなと富士山をとりまく山の自然を探って、植生遷移のおもしろさや富士の原生的な大自然をまのあたりにみることができるのでしょうか。
 いえきっとやってしまいそうです。

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