紅葉のハーフスルー、水坂峠から三国岳、桑原橋へ

                 湖西 高島トレイル'11.11.4~6   テント泊 晴、曇のち雨、雨

 春に続き高島トレイルの後半部40kmをテントで縦走し、多数の参加者の方々にも丁度見ごろの紅葉を満喫していただきました。

 初日は水坂峠から急登の二箇所を上がった後に二の谷山、それに行者山とかたずけてのハーフスルーのスタート(10:30)でした。
 初日は樹林多く展望も苦しいコースのため、やや物足りない感で横谷峠福井県側よりのテントサイト(15:50)で一夜を明かします。

 このハーフスルーはサポート隊がしっかり参加者のテント、寝具、コンロ、燃料に飲料水などの荷をテントサイトまで車で運搬してくれます。
 そんなことからウォーカー自身は雨具、防寒具や一日の食料など、ほぼ日帰りのような最低限のザックで歩けるとネットで見て、多くの参加者で賑わいました。

 今回私がガイドを担当したのは参加者の内の麻耶山友会の方達9名様でした。みなさん明るく話題も豊富なメンバーが勢ぞろいで賑やかに楽しく三日間を元気に歩きとおしていただきました。

 さて二日目、夜明けを待たずに朝食を済ませたメンバーは6時の出発を待ち遠しいくらいの手際よさです。ヘッデンも不要で夜も白みかけてレッツゴーです。
 今日のコースはブナ林や雑木林の続く尾根が歩けることから大いに紅葉が楽しめるハズです。心配なのは明日はしかたないけれど、何とか今日だけでも雨がこないでほしいくらいです。

 でも日が差したり曇ったりとする中を紅葉を楽します。そしてカエデ、コシアブラやタカノツメなどの紅葉、黄葉のグラデーションが鮮やかに楽しませてくれます。
 このような光景を目の当たりにして、みなさんまさに副交感神経の刺激を活発化し、ストレスホルモンの減少化による森林浴の恩恵、大なることがひしひしと感ぜられます。

 人は心を大きくそして丸〜るくして、昨今の大変な時代を心身ともに元気に生き抜くことが理想でしょうが、そうはいってもなかなか事は容易ではありません。
 私はそれにはやっぱり山歩きが一番ではないでしょうかといつも言うことにしています。このような健康な身体を生み育ててくれた母には大きな感謝を忘れません。ついでにもちろん父親にもです。笑

 二日目ともなるとお客様も打ち解けて楽しさが倍加してきます。もちろんみなさんのお好きなこれ何、あれ何との話に答えながらやっぱり紅葉はコミネカエデ、黄葉はタカノツメだねなどと賑やかに先を行きます。

コミネカエデ(カエデ科) タカノツメ(ウコギ科)

 池原山分岐を過ぎるとブナ原生林や巨木群が林立してきます。みなさん頸の痛くなるほど空を見上げて高木のブナを眺めます。
 あっヤドリギだ!の声も聞こえます。もちろん山上の幻の池の周りでゆったりとした時間が流れます。

 ブナやミズナラなどの混生林や巨木群が続くと日本で西端の一番低山の駒ケ岳も近いのですが、そのブナ林などに絡み付いている植物にも目がいきます。
 今回のコースで見られたのは落葉樹のツルアジサイとイワガラミでした。もちろん常緑のツルマサキもありました。
 落葉樹二種の相違点はいろいろありますが、一番簡単なのは葉の鋸歯(ギザギザ)の細かいのがツルアジサイで、荒いのがイワガラミとして見分けることができます。

 このような同定ポイントを話していくとみなさん不思議と楽しんでいただけます。今回のお客様はことのほか植物好きな方ばかりで、熱心に質問も出るなどガイド冥利につきます。
 しまいにはあれはイワガラミだよね、そうかなぁ、いやツルアジサイではない?などとの会話を聞きながらこちらとしてもうれしくなってきます。ならばと更に他の相違点などにも触れていきますが、そうあまり深入りもほどほどにしないといけません。
 まぁ皆様に楽しんでいただけるのが手前どもの使命なのですからと心に言い聞かせながらの山歩きです。

 駒ケ岳ではまだお昼には早いのですが、雨のこない内に少し食べておこうと食事をします。その後の与助谷山をすぎて11時ころでしょうか、心配していた小雨が顔に当たりだしてきました。
 仕方ない、この後は次第に雨降りとなるでしょうからといって雨具を着用してもらいます。結局ほとんどの方が最後まで雨具を脱ぐことができないほどの降りとなってしまったのは誠に残念なことでした。

 そして桜谷山では予定どおりお昼休憩とします。我が班は駒ケ岳でほとんどお腹に入れていましたから、ここで紅葉のメカニズムについても話をさせていただきました。

 ここから急な坂道を木地山峠に一旦降りた後は、長い緩やかな登り道そして百里ケ岳までの雨の登りにも泣きたい気持ちでした。
 お天気であればこの一帯も自然林、ブナ混生林の道筋や展望地もすばらしいのですが、お客様には悪いことをしたなぁと心で詫びていました。

 そんな中でしたが、百里ケ岳山頂で1等三角点にやさしくタッチしてご挨拶、麻耶山友会メンバーの集合写真もすばらしい顔が並んでいます。(HP掲載はお断り済です。)

 その直下の展望台地では本来なら比良山系の山並みがずらりと見られるのですよなどと、心なしか元気には説明はできません。
 ロープ場をなんなく通過し、白石山直前の急登をやっつけて鯖街道の根来坂(ネゴリサカ)に降り立ちます。「京は遠ても十八里」、へ〜72kmもあるの?などと古を偲びます。

 でも長かった雨中の歩きも今日はこの後15分後のおにゅう峠のテントサイトがもう目の前で、みなさん急に元気な声が出てきます。
 展望台でここからは若狭湾方面の青葉山、久須夜ケ岳などが見えるのですが・・など話してすぐにテン場到着(14:45)、すると一班の先行グループはもうテント設営が終わっているようです。なんと早足なんだろうと感心するばかりでした。

 小雨のテント設営には参りましたが、食事の準備はテント内でやむをえません。外は雨なら出ように出られません。しかたなく食事を済ませると横になるしか用はなくなってしまいました。テントを打つ雨音や風はそれでも12時前には止んだようです。

 三日目なんとか朝の出発準備には雨も止んでくれたのはラッキーでした。でもこの空模様、雨具を着けて出発(6:20)です。
 本来ならこのテン場のおにゅう峠は雲海の名所なんですが・・、などと話しながらブナ林を行きます。それらしい雲海も少しだけ見えたのは救いではありました。

 1時間半ほど歩くと幽玄の地、オクスゲノ池です。この一帯の紅葉のすばらしさこそ高島トレイルの真骨頂でしょうとお客様へ案内です。

 この後ピーク803からナベクボ峠に降りてまた三国峠へ登って行きます。どちらにしても小ぶりながらアップダウンの繰り返しの連続です。足元も雨の中で滑りやすくなってきています。安全に注意を繰り返してしっかり歩いていただきます。

 三国峠の長池もすばらしいコミネカエデの紅葉が待ってくれています。でもこの池は乾燥化によりほとんど水は残っていません。
 そして地蔵峠までの道でももちろん紅葉、黄葉のオンパレードが続きます。あたかも日本庭園の如く紅葉が目に沁みます。あ〜なんと幸せなんでしょうか・・

三国峠手前直下の長池 三国峠から地蔵峠への道の紅葉

 紅葉はもちろん地蔵峠へ降りても続いています。なお、この地蔵峠は以前は滋賀県側から芦生への玄関口でしたが、今では京都府美山からの入山に限られていますので注意が必要です。

 この林道奥の由良川源流の沢で美味しい水を補給して一本立てます。みなさんおおらかに談笑が続きます。いよいよこの後がハーフスルーの後半で最高峰の三国岳を目指して進みます。雨も降ったり止んだりの繰り返しとなっています。
 途中にはミズナラやブナの巨木でほとんど枯れかかったものが立っています。キノコもいろいろと見られますが、食毒判明の容易でないために採取はためらいます。でもナメコにはさすがに我先にと手が出ていたようですが・・

 でもここまで誰もが相当足を使っています。地蔵峠(680m)からわずかに138mほど標高を上げて、カベヨシのピーク(818m)ですが結構なアルバイトが続きます。
 北にあるカベヨシの谷の名を取ったそのピークは狭く一休みで、すぐ南に進むと巨木の芦生杉が仁王立ちです。

 朽木古屋集落に降りる古道の岩谷峠でも一休みし、いよいよ三国岳(959.0m)です。2等三角点の山頂は小広く全員で集合写真におさまって頂きます。もちろん展望はほとんど雨模様で残念です。

 しかし、これでみなさん高島トレイル完歩も同然で、にこやかな笑顔が並びます。さぁ後は桑原橋へ降るのみです。経ケ岳分岐から茶屋跡、そして暗くなった杉林の激下りで桑原橋へ下山(16:30)でした。
 全員無事に後半のハーフスルー踏破おめでとうございました。

 また、高島トレイル協議会ではスノーシュートレッキング 2011-2012へのご参加をお待ちしています。それから高島トレイルを卒業した方や、もっと歩きたい方には余呉トレイルにもどうぞお越しくださいませ!

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紅葉のメカニズム