紅葉の廃村八丁、ソトバ峠からの稜線をダンノ峠へ

   京都北山 廃村八丁'11.11.9 曇

 異常気象で暖かすぎる日々に慣れきった身体には、急激な気温の低下に対応できなくなっています。そんな感じなのにバカな私は軽装で北山に向かってしまいました。

 京都バスの終点手前の菅原から廃村八丁周回ルートを歩きます。何度も来ていますが2年ぶりの一部初ルート歩きが楽しみです。

 今回はオリ谷を左に見送り、直進してホトケ谷へ入ります。珍しく若い青年一人が農作業をしています。「もう誰か山へ入ったようですか?」と尋ねると「イヤ今日はまだ見てないですよ、気をつけて!」と返事も気持ちいい。

 そしてまもなく荒れた谷沿いはよして左の中間尾根を登ります。春から初夏にかけてはシャクナゲやイワウチワの咲く歩き始めのスタート地点です。
 天候のよい頃には尾根左のホトケ谷から日射しが気持ちよいところでもありますが、一汗にじみ出るころ分かれた谷沿いの道と合し一本立てます。

 その後急登をやってダンノ峠で、それより北へ上がり稜線に乗ります。しかしこの稜線の紅葉を期待してたのですが残念ながら遅かったようです。
 ブナの大木の葉は落下著しくほとんど残っていません。わずかにカエデたちの紅葉がちらほら見ごろでした。

品谷山への稜線上のブナの高木多数

 品谷山が近づくとカナクギノキの黄葉が散在しており、せめてもの紅葉狩りとします。でもほんとうのところもうひとつの様相でした。

カナクギノキ(クスノキ科)の黄葉は見事

 ダンノ峠からほぼ1時間で品谷山(2等三角点880.7m)でした。この山頂の展望はほとんどないのも残念です。それよりも山頂に着いたらあたりは真っ白となってガスが取りまきます。温度もだいぶ下がってきているようです。ややこれは雨が・・・?、すぐさま雨の前に昼食です。しかしその後はほとんど雨にならずじまいでやれやれでした。

 西南へ尾根を峠まで20分ほど下ってイタヤカエデの大木立つ品谷峠からスモモ谷を下って行きます。さすがに奥深い北山の谷筋の道は相当荒れてはいますが、危険な箇所はなく歩きに支障はありません。
 サワグルミが林立し、トチノキ、メグスリノキが見られ、オオバアサガラは倒れても生きています。でもやっぱりこのスモモ谷は春の山野草とりわけイワウチワ咲く頃が私は好きなのですが・・

 品谷峠から35分ほどで三角屋根のある廃村八丁でした。私はここへの探訪では、その歴史の解説板を読むたびに往時の村人の厳しい生活のさまを偲びながら、よくもこの地で長年先祖を守って生活してこれたものだと寒々とした心根になってきます。苔むす石垣の広場内に植えられた杉林も大木となって時が感ぜられます。

 一方で現代のような人任せでなく、大自然のなかばかりですべてに自己の力で生きなければならなかったであろう生活にも憧れのような気持ちもないことはありません。

 このように八丁を訪れる度に心洗われる思いにさせてくれるこの地は、なぜか惹きつけられ私の心の故郷のような地でもあります。
 説明板にもあるように昭和11年廃村と書かれていますから、もう75年の時の流れが過ぎ去っているようです。

八丁川手前のカエデの紅葉

 この広場でゆっくりするのもいいのですが、今日は薄ら寒く草むらは小雨で濡れており腰を下ろす気にもなれません。この一帯の紅葉もそう感動するほどの状態ではありませんでした。葉をほぼ落としてしまったトチノキを見上げながら次のババ谷からタキノタニへ向かいます。

 そして草原をぬければ昔の学校橋も朽ちてなく渡渉です。右側の石垣はその当時の分教場跡、左には京都大学高分子化学北山の家の三角屋根の奇妙な小屋、この山小屋も来るたびに荒廃が加速しているようで侘しく感じます。それでもまだ誰かが使用しているのでしょうか。

 そしてすぐに右手に登る道には腐敗が進行している木製の鳥居をくぐって八丁村の八幡宮の祠を見に上がってみます。確か以前はもう少し建物が残っていたように記憶しますが、今はわずかに祠が雨ざらしとなって朽ちかけています。
 当時の八丁村の人たちの氏神さんも75年も経てば自然の破壊作用いたし方なきことでしょうか・・

 次は昔その場所に山林巡視員詰所のあったところあたりに残った飯場小屋のような建物をうまく利用して八丁温泉と大きく表示の箇所までやってきました。
 珍しくその関係者に出会えました。山好きな方でしょう、にこやかに談笑が続きます、そしてこれから辿るソトバ峠からダンノ峠への稜線の道の様子も聞きました。

 八丁温泉を後にして自然林の紅葉すばらしきババ谷の道を登ること約半時間で突如尾根を貫いた立派な林道が目の前に現れました。
 H18年丹波広域基幹林道と看板が見えます。林道の是非はここではもう止めておきましょう???

ババ谷上部で峠は近い

 その看板地より以前からの山道を3分で目指したソトバ峠でした。ここは南へ下がる小塩集落への古道ですが、私は南西へのタキノタニ(別名ソトバ山)へ登ります。多数の株別れした木はどうやらムクノキのようです。

 途中上り始めて10分もしないうちにまたまた林道が交差しています。心のゲンナリは横において一旦つけられた木製階段を降りて登ってまた急登します。
 芦生杉の大木を左に見て踏跡薄い道を拾いながらイワウチワの大群生からタキノタニ(3等三角点806.0m)の山頂へ、ソトバ峠から15分ほどでした。展望はなくまた峠まで10分ほどで引き返します。

 ソトバ峠から最初の林道交差地まで引き返してすぐに急登が始まります。私にとってここからダンノ峠までの稜線歩きが本日のメインだったのです。
 この稜線歩きは以前から聞いて知っていましたが、なぜかその機会がありませんでした。

 実は本日は京都バス菅原17:04発が最終便です。それに初めてのコースのために足はどうしても速くならざるをえません。
 峠からの急登を15分で息せききって上がり、初めての指導標箇所で十分な地形図読みもせずに北に向かってしまいました。緩やかに下って行ってすぐに北西に向かう尾根を見て、やっ、これはおかしいとすぐに引き返し時計を見るとその間13分のロスでした。

 指導標地へ戻って地形図を見直して、西よりへ緩やかに登って進んで二つ目の指導標の下がる847Pで安心し、ここからようやく北へのダンノ峠は無事に踏破できました。
 もっとも時間ばかりが気になり、途中の大きな芦生杉の撮影や最ピークの無名峰892はカットしてしてしまいましたので、892Pを踏みにリベンジはイワウチワの咲く頃に果たしたいなと早くも思う始末です。

 ところが今日はソトバ峠下の急登の取りつきからダンノ峠までロスタイム13分をいれても1時間10分ほどで歩いてしまいました。
 ダンノ峠15:30到着で菅原までゆっくり歩いても40分ということで半時間も余裕があります。寒い中をバス停で待てないだろうと、ダンノ峠から超ゆっくり歩きで時間調整しながら菅原まで下ることとしました。

 それにしても寒い一日でしたが、約7時間の歩きの中の一部分が初めてであったために結構楽しめました。

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