六甲 水晶谷から白石谷'11.11.29 曇

 本年最終の六甲の表から裏への縦走をしてみましょう。それにしてもこのコースは静かなことの好きな人向きでしょう。平日とはいえ誰一人とも出会いません。ほんといいコースですね〜、そして裏六甲の有馬四十八滝見物も楽しみましょう。

 では最初は表六甲の水晶谷編です。もっとも昭文社の地図にも「この地域は危険、熟練者以外は入らないよう」との表記ある山域でもあります。
 それに沢の渡渉や少々の藪こぎも厭わない気持ちも必要です。それにもまして数え切れないほどある砂防ダムの高い堰堤の繰り返しで、この堰堤の上り下りへの強靭な体力も試されます。

 今回の谷筋に増水は解消されているだろうとの予測のもとに入渓したのですが、まだまだたっぷりの流れが残っており、渡渉にもやや苦労したのもまた楽しからずやの様でした。

 いつものように五助堰堤(8:50)から休憩地、大平岩から谷筋を目指し、10分ほど進んで西滝ケ谷(9:10)へ降ります。ここの降り口は以前より踏み跡がはっきりしたような感じに見えます。

私の西滝ケ谷への降り口

 谷への降り口は方々にあり、入渓の箇所は人によりいろいろのようで、各所にテープもあちこちついていますので、その道に危険箇所が少ないのかも要チェックでしょう。
 私は左に太いコナラの木と右に2本の細いクマシデの木の間を降りることにしています。どこでの山道でもそうですが赤布はつけたりはずされたりの繰り返しです。今回もすべて取り外されていました。私は遠慮がちに赤く短いテープをクマシデの木へ取り付けて谷へ向かいます。

 今回は可能な限り西滝ケ谷から水晶谷を詰め上がり、極楽茶屋跡を目指すとの気持ちでスタートしました。今日の最初の堰堤には西滝ケ谷7号低ダムと標示があります。
 ということは最初の堰堤からは6個もパスしているのでしょうか?、その後は何個か通過すると右岸に岩壁迫り、その前の沢には小滝がいつもより元気な流れを見せてくれる箇所までは従来と同じでした。ここで1本です。(9:37~42)

 この後すぐに右岸の巻き道へ谷道を登って行けば体力的にはそう無理はないのですが、今日は沢を遡行しましょう。
 でもこれがやはり大変でした。岩石累々の沢を登って目の前には高くたか〜い天井のように見える堰堤が待ち構えています。さぁ、この堰堤はどちらへ向かえばとのルート探しです。
 やっと見つけた踏み跡らしき赤布につられて左岸に上がったのが失敗でした。激斜面をなんとか踏み跡を追ったのですが、遂には猛烈な笹薮のブッシュに阻まれて撤退でした。

 なんとか沢まで降り立って、今度は増水の右岸へようやくの渡渉、すると苔むした青色のワイヤーが上から下がってきています。これを見た時の感想はやっと地獄から出られそうだとの気がしたほどでした。
 でも足もとの石段の段差を見てがっくりです。え〜これを登るのか、、大丈夫かな〜これが高いって半端ではありません。でもこの段差をズボンの膝を土だらけにし、汗水垂らしてどうにかやっとクリアーです。

 堰堤最上部(10:00)には水晶谷第二砂防ダムとあり、両サイドには踏み跡らしきものも見当たりません。どうやらやっぱりここへの進入をした者はほとんどなく、やっぱり桜の古木やカナクギノキの大木のある巻き道の通過が正解だとの答えでした。

 それが証拠にこの堰堤から水晶谷の流れる音はほとんど聞こえません。あの水量の流れが聞こえないのはおかしい?などと考えながら沢へ降りるにも大変な藪をなんとか降り、それも斜面を転げ落ちるのではないのかとの危険な斜度をようやく沢に降りた時も生きた心地でした。もちろんここまでの様子を写真など撮る余裕はまったくなかったのです。 

 そして沢の左岸の石の上に乗る忘れ物の赤い帽子箇所に着き、対岸の青いビニールテープの先のしっかりとした道(10:10~15)を見て、あの道と沢筋とは幼稚園児と大学生との違いのようだなどと考える馬鹿な私でした。

 ここで1本とります。すると自らのズボンには藪状態の中を歩いた証拠の引っ付き虫が見事に両足首まで付いているのに気がつきます。手で払いながらなんとかあらかた払って出発ですがどうせこの後にもつくだろうと最後までやりません。

 結局引っ付き虫を払ってきれいなズボン状態にできたのは昼食時でした。もっとも泥だらけはしかたありません。これだから着替えの持参は必要ですよね。よかった・・

厳しい段差に泣きました。 右に赤帽、左へ沢の向こうに道あり

 結局この巻き道を通らなかったのが今回の大失敗の巻でしたが、これもまた後々の水晶谷遡行のよき思い出となることでしょう。

 この猛烈な堰堤登りや激斜面降り、さらに猛烈ブッシュなどの経験をした者にとって、この後の水晶谷から極楽渓歩きはへっちゃら、まさに極楽歩きでした。

 その後の堰堤からの息せき切らせて上がったご褒美である対岸の山肌一面の紅葉の歓迎、そして水晶小滝(10:44)に水晶大滝(10:55~11:00)の感動もそう大きくないのも致した方ありません。。

水晶小滝 水晶大滝

 (追記)次の画像2枚は'12.2.12に歩いた水晶大滝の氷爆の様子です。

氷爆は5割程度でしょうか・・?

 もちろん両滝ともそれぞれ巻き道があるのですが、今日は気分が高揚していたのでしょうか?、それぞれシャワーを身に受けながらズルズルの右岸の岩場をさっさと登りあげます。
 終わってから冷静に考えると、やっぱりこれだけの水量時はやはり巻き道のロープ場を行くべきだろうと反省する自分がいました。
 また取りつきからこの大滝までの堰堤の数は数え切れませんでした。というよりしんどいばかりの堰堤を数えるそんな余裕などなかったのが本音です。10個くらいはあったとは思いますがこれはまたの機会としましょう・・

 大滝からは5個しかない堰堤クリアーは慣れたものです。一つ目の堰堤は右から越えます。二つ目だけが左からで黄色のタラップを登って越えますが、堰堤上部に上がると「摂津谷底はいずり会」との標示がぶら下がっています。三つ目、四つ目は右からです。
 この四つ目の堰堤上から進む前方を見上げると屏風岩と凌雲台東の小ピークあたりに立つ2基のパラボラアンテナもはっきり見えます。
 最後は右からまた黄色のタラップを乗り越えます。上がると立ち入り禁止の表示板にラストとマジックで書かれ、この標示に気がついたらやれやれと思うことでしょう。そして降りにはアルミ梯子が設置されて簡単に沢へ下れます。

 この後は次第に水は細くなって6個目の堰堤が見えるとその手前を左への登りに踏み跡が伸びます。ここが最後の水場となり、この左への道が最後の急な登りとなりますが約15分で縦走路に飛び出ます。

 そしてなんなく極楽茶屋跡で気分よくお昼(11:36~55)でした。食後には六甲山最高峰を形どおり踏んで1等三角点(12:35~40)に挨拶とします。
 そこには知り合いのガイドがいました。へ〜個人歩きですか?、私はこんなとこで仕事ですワ〜と、どういう意味か読み取れなかったのですがテレ笑いしています。お客さんもいますので余計なことも言えません。どうやら芦屋川からのタイムトライアルというツアーをやっているようでした。

 山頂からの愛宕山も薄っすらと遠望が叶いました。そしてここにはアキグミが各所にあり、丁度果実が食べごろで、その実を食しましたが実に美味しい?・・

 

 いよいよ次は裏六甲編です。こちらには魚屋道を下って吉高神社下の白石谷への指導標(12:50)から入ります。この有馬四十八滝ルートも道は熟練者向きとあります。

 しばらく降ると相当なガレが出てきます。もちろん右側の谷に切れ落ちたり、崩落したりの危険箇所が随所に出てきます。
 私は今回なんなく降りましたが、来年1~2月頃に氷瀑見物の賑わう頃には山慣れない方々には辛い歩きとなる箇所となることでしょう。できれば百間滝、七曲滝くらいで辛抱するほうが無難ではないでしょうか。

 この時期の滝めぐりはやはり物足りなさは隠せません。お薦めはなんといっても冬場の氷瀑時でしょう。それでも周りの見事な秋彩に包み込まれる滝もなかなかのものがあります。そんな中の代表的なものだけですが、ご覧いただきましょう。

白龍滝 落差15m 白石滝 落差10m 百間滝 落差30m
似以滝 落差30m 七曲滝 落差30m 蟇滝 落差6m

 滝めぐりを終えて紅葉谷(14:20)から六甲ロープウエイ駅(14:50)までの山狭にもすばらしい紅葉が見られました。このような紅葉狩りもいよいよエンドとなりそうです。
 なお、この間の林道で一部崩落箇所があり、土管がむき出しとなって折れ曲がっています。雨降り時は増水等特に注意が必要でしょう。

 このようなすばらしい水晶谷などの沢歩きとガレ多い滝めぐりには、私の心と体をやわらかく満たしてくれ、変化ある歩きやすばらしき景色との出会いでした。
 この山歩きは長き記憶の一片として心の中にしっかりと描き込んだつもりなのですが、1~2年もしないうちにはまたその耐える力?や、山狭の景色に出合いたくなって心がザワザワと騒ぎ出してしまうのだろう、イエきっとそんな予感がします。

 有馬温泉銀の湯で汗を流したあとは、心地よい疲れのなかの夢ごこちでバスに揺られながら宝塚へ向かうのでした。

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