余呉大黒山から妙理山'12.6.10

椿坂峠-大黒山-南尾根-点標鯉谷-西尾根分岐-妙理山-西尾根-椿坂

 余呉トレイルも中央分水嶺コースを歩き終えると次は淀川水源の森コースが気になりだします。こちらのコースはブナ林がどこまでも続くコースとして知られています。

 今回はその中でも縦走が楽しめる大黒山から妙理山への北国の深い森歩きとなりました。生憎の入梅宣言となってしまいましたが、それでもなんとか小雨模様ですみ、軽快に歩きとおすことができたのです。

 椿坂峠からいきなりの急坂ですが、すぐにブナの巨樹が頑張れ!と励ましてくれます。この西尾根もお花の坂道なのですが、この時期ともなりますとイチリンソウ、フタリシズカなども終えて、わずがにクルマムグラが小さな白花をもうお終いですよとささやいています。

 直下の水場のお手製の樋からも、滴(シズク)がわずかに落ちるほどで枯れているのも悲しいかぎりです。いつか大黒山山頂でテント泊山行を楽しもうと考えているのですが、この水場での期待はやや苦しいかなとの状況でした。

 そしてほぼ1時間でいつもの大黒様の鎮座される大黒山3等三角点山頂でした。あたりのブナ林も幽玄の世界そのものです。
 ここでいつものようにウッディパル特製のトレイル弁当の美味しいことでお腹も大満足です。しばらくすると誰かが見上げてえ〜あんな高い所に山名札がつけてある、雪がえらい降るんやなぁ?との声です。そうです、このあたりは豪雪で知られ、多分山頂は3mは十分積もることでしょう。

 さて、昼食が終わると東尾根から南尾根に入ります。椿坂峠から上がって来た東尾根は関電の巡視路道で新幹線、我らがこれから歩く路の南尾根はローカル線とみんなで笑いながら笹薮こぎとなります。
 それでも大黒山から50分ほどで点標鯉谷の可愛い4等三角点通過、ここを左折でさらに藪こぎ状態を東南に下るといよいよブナ林のすばらしい森へ進入です。

 このブナ林一帯は晩秋のころに歩けばブナの樹木たちへナメコが見事で、持ちきれないほどもいただけます。ちなみに昨秋ナメコの「きのこ狩り山行」レポはこちらからご確認いただけます。

 もちろん歩いても歩いてもどこまでも続く雑木林の森は、大森林浴登山でみんなが身も心もリフレッシュできるコースでもあります。
 しかし、本日は梅雨のさなかの歩きです。山の中はいつもお天気ばかりではありません。山歩きはいろいろな条件のなかを経験することによってさらなる楽しみ方が得られます。
 小雨に煙る自然林の森の中に身をおきながら、それぞれ生きている喜びを感じるこのひとときに大きな感謝です。

 

 澄んでいる空気を大きく吸って爽快な気分、この空気のうまいのは排気ガスなどに汚染されていない自然のままの空気ということもあり、それにもまして木々の放つ香気成分のたまもの、それが私たちを元気にしてくれるのです。
 新聞記事によりますと、このような森林浴はドイツでは病気予防のために130年も前から導入されているといわれますが、日本では1982年林野庁の提唱で広がったとのことです。
 樹木が放出する香りの成分・フィトンチッドは気温上昇に比例して増え、これがストレスで上がるとされる尿中アドレナリンの濃度を下げて、癒し効果を高めるようです。このフィトンチッドは抗がん作用もあって、治療への利用も進んでいるといわれます。

 山歩きをされるみなさん、誰もいつまでも若くはありません。若い世代のようにクライミングをしたり、ガツガツ歩くピークハントばかりが登山ではありません。
 歩きながら山の歴史を知り、周りのお花を見て立ち止まり、野鳥のさえずりを意識しながら耳をとぎすましたり、一帯の地質や地形にも目を向けるような楽しみ方の登山が中高年ともなれば適していると思われるのです。

 そして熊さんも多く暮らすといわれる深いブナの森をこれでもかと歩き、急登を頑張って鯉谷から1時間ほどで795ピーク、その先の水場の標識立つ地からまた急坂をやっつけると25分で西尾根三叉路でしたが、この後15分で本日二つ目のピーク妙理山901.5mの3等三角点到着です。
 この狭い山頂もいつもの展望台がすぐなのに、今日ばかりはあたりの白さにおじけづき、どなたも行こうとはしません。

 わずかな山頂の憩いをすませて西尾根を下ることとしましょう。この西尾根も藪がうるさく、雨のくだり路です。でもみなさんの健脚によって1時間20分で桂照院跡へ何事もなく下ることができました。
 本日の椿坂峠から大黒山、妙理山を踏んで、西尾根から桂照院跡までのコースを約5時間半の歩きとなりました。

 

 ここで最後に桂照院跡の歴史についてもふれておきましょう。当地に立てられている余呉町教育委員会の説明板によりますと次のように書かれています。

 (抜粋)
 北国街道を収める鈴木筑前守のこの一帯は椿坂といわれ、小谷城主浅井氏に仕えた四代目重国がここに桂照院を建立して鈴木家菩提寺とした。
 重国がここに葬られたのは永禄十一年(1568年)であるから、桂照院建立もその頃であろう。すなわち今から444年前となる。
 その後この寺の二代目和尚が池原に全長寺を開いたので、全長寺本寺として栄えたが、檀越鈴木氏が明治になり禄を失い他に転出するとともに桂照院も衰微し、昭和のはじめに桂照院も遂に廃寺となった。
 境内には桂照院の椿坂の歴史を物語る桂の大樹の下に鈴木氏一統の墓が眠っている。

 さぁ、みなさん、このようなエコツアー的な歩きで山歩きの楽しみをみつけませんか。もちろん知り合いばかりのウォーキングも楽しいですね。でも山慣れない人たちばかりの集団での山歩きはアクシデント等、特に安全面にも問題があります。

 その点当方は公益社団法人日本山岳ガイド協会認定ガイドとして、さまざまな講習をクリアー済みで、安心はもとより自然の知識も豊富に心得ていますので、みなさまにより知的な山の自然学を楽しめる一歩進んだ山歩きを小人数登山でご案内させていただくことができます。
 近くなりましたアルプスなどの夏山へは特にガイド登山がお奨めです。ぜひメールにて夏山プランのご相談等なさってみてはいかがでしょうか。。

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