余呉鷲見から大黒山東尾根へ'12.6.13

 今回はまだ未整備の鷲見の尾根を大黒山東峰コースへ繋ごうとのことで、最初からヤブに突入でした。登るその前に、鷲見の在所の歴史を語らない訳にはいきません。そもそもこの元鷲見集落は一帯が丹生ダム建設計画により離村を余儀なくされた、もの悲しい地であったのでした。

 鷲見谷の水を集める鷲見川が、雑草の中に小さな流れを見せているのを、今でも立派に役目を果たす一番下流の橋の上から上流を眺めます。

看板のテープ文字も剥れて読めなくなって・・ 鷲見川も両側から草木生い茂り流れも小さく

 川淵には大きく成長したエゴノキが満開だった白花も落下盛んとなっています。周囲はもちろん夏草が生い茂って、川の流れを細めているのでした。
 離村という住んでいた人たちにすれば、先祖代々の田畑などを手放す悲しさは語るに及ばず、それより17年も経た今では、自然に返ってしまった昨今の里山の風景をどのように傍観すればよいのでしょうか。

 でもいつまでも感傷に浸っていることもできません。今日は東尾根への完全な整備行なのです。いきなりマムシだ!との声で草刈りを忘れて前進です。

 尾根も藪深く、なかなか標高は稼げません。それでもなんとかきつい最初の斜度あたりは通過できたでしょうか。振り返ると横山岳の北尾根でしょう、樹林のすきまからそんな尾根を従えた横山岳が見られました。
 枝を払ったりしているとあまり目にしないものが目にとまります。それはハンショウヅルの若い果実でした。

樹間よりの横山岳 ハンショウヅル(キンポウゲ科)

 このハンショウヅルは野に咲くセンニンソウ、ボタンヅルの仲間のキンポウゲ科センニンソウ属ですが、ハンショウヅルの仲間は山で見られます。その仲間にはタカネハンショウヅル、シロバナハンショウヅル、トリガタハンショウヅルなどがあります。
 この内、タカネハンショウヅルだけが外の4~6月の花期でなく、8~10月に咲く点が大きな区別点でしょう。

 そしてコナラからミズナラの森に変わるころにはもう12時近くなってしまいました。やや小広い地でしたから草木を刈ってお休み処としましょう、そしてお昼です。。 

お休み処、ミズナラの森 ミズナラは葉柄が目立たないのが特徴
  

 しっかり腹ごしらえを済ませて、またまた藪突入です。でもササユリですよ!との声に元気が出ます。一輪だけでしたが、けな気にこの藪に負けずにお日様を求めているのでしょう。

 そして、待望のブナの巨木も出だしてきました。この尾根は境界だったのでしょう。錆びたワイヤーの残骸が遠い昔の山仕事の過酷さを偲ばせています。
 伐採されたのでしょう。ほとんどブナ林は残ってはいませんでしたが、尾根上だけは相当の大木が森の緑を支配するかのような景色をみせています。
 もちろん、その周辺には巨木以外は立つことなく、比較的見通しがきくこととなります。北東方面には上谷山や左千方なども樹間より眺めることもできます。

 その後はところどころで出てくるブナの巨木を見ながら立ち休憩をして、黙々と整備に1時間以上かけ、やっとのことで標高800m近くまで上がると、なだらかになってきたのです。
 もう少しで東峰稜線に近づいてはきましたが、3時ころとなって雨脚が収まらず、やむなく稜線断念でした。

 そうと決まれば後は降りるだけです。でも先ほど整備しながら登って来た路も踏み後ままならずですが、それでも赤布の力を借りてなんなく1時間半ほどで鷲見へ降り立ちました。
 さぁあと少しの整備、これで今後は新たな大黒山縦断コースが出来上がるのは目前となることでしょう。乞うご期待!

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